鬼の由来

日本には、鬼に関する行事が数多く残っている。「鬼は外」と豆を投げる節分や、秋田のなまはげなんかもそうだね。ところで鬼というのは、いつどんなふうに生まれたものなんだろう。

鬼の語源は、「隠(おぬ)」という言葉にあるといわれているんだ。「隠」は「目に見えないもの」「この世のものではないもの」といった意味で、鬼はもともと、目に見えるものではなかったんだ。

鬼が姿を持ち始めたのは、仏教の影響と言われている。現在多くの人が想像する「鬼」は、仏教の「羅刹天」の姿に由来したものなんだ。羅刹天は破壊と滅亡を司る神で、人々から恐れられていた。「隠」という目に見えないけど恐ろしいものを、羅刹天の姿に投影したものが「鬼」となったというわけなんだ。